この記事では、新NISAにおける少額投資の意味や、メリット・デメリットを解説します。

毎月の投資額が少ないと意味がないんじゃないの?



月5,000円とか1万円だけだと、
資産は増えないよね?



少額ならやらない方がいいのかな?



少額投資について、
わかりやすく解説します!
結論からお伝えすると、少額投資でも新NISAを活用する価値は十分にあります。
少額投資は短期間で大きな利益を得るのは難しいですが、心理的負担を抑えながら資産形成を始められる方法です。
また、非課税制度を使えば少ない元手でも効率的に増やせる可能性があります。
新NISAは少額投資でも非課税のメリットを受けながら、適切なリスクを取って、着実な資産形成が目指せます。
新NISAを始めるタイミングや、複利効果を活かす方法については、こちらの記事も参考にしてください。


新NISAにおける少額投資の特徴


少額投資は、新NISAをムリなく気軽に始められる方法のひとつです。
元手が少なくても、非課税の恩恵を受けながらコツコツ資産形成を始められます。



新NISAにおける少額投資の特徴を、一緒に確認していきましょう!
1.新NISAの基本と少額投資の位置づけ


新NISAは、株式や投資信託の運用益が非課税になる制度です。
年間投資枠は、つみたて投資枠と成長投資枠を組み合わせて利用できます。



少額投資って、どのくらいの
金額からできるの?



つみたて投資枠なら100円から始められます。
少額投資は、主につみたて投資枠を使って行います。
少ない元手でも非課税枠を活用することで、効率よく資産形成を進められます。
さらに、少額投資は心理的な負担が少なく、投資初心者でも続けやすいのが特徴です。
まとまった資金を用意せずにスタートでき、家計やライフスタイルに合わせて投資額を調整できます。



少ない金額だとあまり意味がない気がするけど?



少額でも、始めることに意味があります。
少額でも始めることで、価格変動に慣れたり、投資の習慣を作れたりと、知識と経験が積めるのです。
また、新NISAのつみたて投資枠では毎月一定額を自動で投資するため、価格変動リスクを平均化できます。
2.少額投資をした場合のシミュレーション例



画像をタップすると、シミュ
レーターのサイトに移動します。
少額投資がどの程度の成果をもたらすのか、具体的な数値で見てみましょう。
ここでは、想定利回りを3つのパターンで比較します。
- 年利3%(現実的で保守的)
- 年利5%(標準的で現実的)
- 年利7%(やや積極的な投資)
【毎月5,000円を10年間積み立てた場合】
想定利回り | 総資産 | 元金 | 収益 | 節税額 (約20.1%) |
---|---|---|---|---|
年3% | 70万円 | 60万円 | 10万円 | 2万100円 |
年5% | 78万円 | 60万円 | 18万円 | 3万6180円 |
年7% | 87万円 | 60万円 | 27万円 | 5万4270円 |
【毎月10,000円を10年間積み立てた場合】
想定利回り | 総資産 | 元金 | 収益 | 節税額 (約20.1%) |
---|---|---|---|---|
年3% | 140万円 | 120万円 | 20万円 | 4万0200円 |
年5% | 155万円 | 120万円 | 35万円 | 7万0350円 |
年7% | 173万円 | 120万円 | 53万円 | 10万6530円 |



数字で見ると、少額でもしっかり増えるんだね。



早く始めるほど複利の効果は大きくなります。
まずは続けるのが大切です。
少額投資は一度に大きな資金を用意する必要がありません。
生活に余裕のある金額をコツコツ積み立てるだけで、時間と複利が資産形成を後押しします。
特に新NISAでは、運用益が非課税になるため、同じ利回りでも課税口座より効率よく増やすことが可能です。
「今から新NISAを始めたら、どれくらい資産形成できるのだろう?」と疑問をお持ちの方は、こちらの記事がおすすめです。


少額投資のメリットとデメリット


少額投資には、投資を始めやすくする利点と、押さえておくべき注意点があります。
両方を理解してから始めることで、長く続けやすくなります。
少額投資のメリット


少額投資には、投資初心者でも始めやすく、長く続けやすいという特徴があります。
新NISAを使うことで非課税の恩恵を受けながら、生活に無理のない範囲で資産形成を進められます。
メリット①非課税で運用できる
新NISAを使えば、利益にかかる約20%の税金を払わずに済みます。



少額投資でも、まったく税金がかからないの?



非課税制度なので、利益が出ても税金はかかりません。
メリット②少額から始められる
100円や1,000円から始められるため、心理的負担が少なく続けやすいです。
毎月の生活費に影響しない範囲で、投資を始められるのも安心材料です。



それなら家計が厳しいときでも、無理なく続けられそうだね。
メリット③投資経験を積みやすい
少額で相場の変動を経験でき、リスク管理や商品選びの知識が身につきます。
将来的に投資額を増やす際の判断材料にもなります。



練習しながら慣れていけるってこと?



その通りです。
少額なら、大きな損失になりにくく、経験を積みながら始められます。
少額投資のデメリット


少額投資は始めやすい反面、押さえておきたい注意点もあります。
デメリットを理解しておくことで、思わぬ損失や計画の見直しにも対応しやすくなります。
デメリット①利益が大きくなりにくい
投資額が少ない分、短期間で大きな利益を得にくく、資産の成長はゆるやかです。



やっぱり、少額だと増えるのに時間がかかるんだ。



コツコツ型の投資なんだね。
デメリット②損益通算・繰越控除ができない
新NISAでは他口座との損益通算や損失の繰越控除ができないため、税務上の柔軟性が低くなります。
損益通算(そんえきつうさん)とは?
投資で出た利益と損失を合算して、課税される金額を少なくする仕組みです。
例:株で10万円利益が出て、別の株で5万円損をした場合、差し引きして5万円にだけ税金がかかります。
繰越控除(くりこしこうじょ)とは?
株式投資などで発生した赤字(損失)を、翌年以降の黒字(所得)から差し引いて、税金の負担を軽減できる制度。
例:2023年株の売却損失-100万円・2024年株の売却益+80万円
繰越控除の計算すると、2024年の
課税所得は0円(-20万円)となります。
80万円(2024年の利益)- 100万円(2023年からの繰越損失)=-20万円(2024年の課税所得)



損失をほかの利益と差し引く相殺は、できないの?



新NISA口座ではできません。
新NISAは「利益も損失も税務計算に入れない」仕組みです。
デメリット③リスクはゼロではない
少額でも元本割れの可能性はあります。
ただし、損失額は投資額に比例するため、初心者にとってはリスクを抑えながら学べる環境になります。



大きく損をしにくいってことだね。



長期で積み立てれば着実に
増やすことが期待できます。
新NISA少額投資は意味とメリット・デメリット | まとめ


この記事では、新NISAにおける少額投資の特徴や、メリット・デメリットについて解説しました。



少額でも意味があるってわかったよ。



無理なく続けることで、長期的な資産形成につながります。
- 非課税で運用でき、100円から
始められる - 少額でも投資経験を積みやすい
- 短期間で大きな利益は得にくいが、
長期で効果が出やすい
少額投資は、新NISAを気軽に活用できる方法です。
非課税で運用益を受け取れるうえ、100円からでも始められるため初心者に向いています。
一方で、短期間で大きな利益を得るのは難しく、他の投資の損失と組み合わせて課税額を減らす仕組みや繰越控除が使えない点には注意が必要です。
メリットとデメリットを理解し、自分のライフプランや家計に合った投資額を設定しましょう。



少額からでも始めることで、投資の習慣や経験が積み重なっていくんだね。



新NISAを上手に活用し、将来の資産づくりに役立てましょう。